
「会社を辞めてブロガーになろう」
新卒入社した住宅メーカーを辞め、1年が経った。
私は現在、フリーランスとしてWebを通し文章を届ける仕事をしている。
書き始めた当初は「ブログをやってるなんて知り合いにバレたらおわる。」と思っていた。そして「Facebookに誤投稿してしまったらしぬ」と最悪の事態を想定し200人以上いた“お友達”は全員解除した。
それでも私はブログを続けた。そしてそれが職業になった。
今日は私の「転機」について話したいと思う。
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ブログを始めたのは2年前。
パソコン一台で「好きなときに好きな場所で仕事をする」そんな生活に憧れ、会社員をしながらこっそり始めた。
ブログを書いているときはすごく楽しかった。自分の好きなことを人目を気にせず発信することが出来た。少しずつ読者も増え「おもしろい」と言ってシェアしてくれる人もでき、自分の夢が近づいている気にもなった。
このままこっそりやることもできる。でも本音を言えば、家族や友人にも応援してもらいたい。…でもやっぱりそれは勇気がいる。自分でもめんどくさい性格だなあと思う。
でもこの時、はじめて変わりたいと思った。
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一人旅をしよう。
旅行ではダメ、わたしに必要なのは旅だ。その違いが何なのかはよく分かっていないが、大冒険が私を成長させると思って疑わなかった。行き先はもちろん海外。
それでもやっぱりビビって「一人旅初心者 おすすめ」で検索をし“観光客に親切”という一言を見てオーストラリアを選んだ。
わたしは勢いはあっても、準備不足なところがある。
はじめての1人海外旅行、しかも英語は全く話せない。
なのに海外用のポケットWi-Fiを持って行かなかったから、空港から目的地までのバスが分からず途方に暮れた。
それだけじゃない。一番の難関だったのはシドニーからエアーズロック(世界最大の一枚岩)に向かう飛行機が悪天候の為、欠航したときだ。
日本だったらすぐに次の日に振り替えてもらえばいい。ホテルだって事情を話せば対応してくれるかもしれない。でもここはオーストラリア、交渉する言葉を私は知らない。
エアーズロックで大自然を感じたかった。心が震えるという噂の星空をみながらビールも飲みたかった。
でも、もう諦めるしかない。
“英語が話せないから” ”天候が悪いから” 自分を納得させるための言葉を並べた。あぁ、私はいつもこうだ。変わりたくて出た旅でも結局何もせずに諦める。
「このままじゃ帰れない」とっさにそう思った。航空券を握りしめ、航空会社のカウンターへ走った。
知っている英単語を並べ合わせ、必死に伝えた。急に日本人が必死の形相で「チケット、チェンジ。セイム タイム。トゥモロー」と喋りだし、さぞかしスタッフの方もドン引きしただろう。でも、もう引き下がれなかった。
そして、欠航のアナウンスから4時間後。飛行機、ホテルすべての日時を変更してもらった。安堵と達成感で涙が出た。
そうして次の日に行った念願のエアーズロック。こんなに苦労したのに、事前に何度も写真を見ていたからか、目の前にしても「へぇ」くらいにしか思わず拍子抜けした。
それでも確実にこの旅は私を強くし、そして自分で自分を見直した。
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「なんだってできる」大袈裟に思うかもしれないが、帰国後わたしはそんな気がしていた。やりたいことは全部挑戦してみようと思った。
プランターでこじんまりやっていた家庭菜園は、思い切って畑を借りることにした。市役所に相談したらすぐに借りることが出来た。
人前は苦手だったけど、自分の力を試したいと挑戦した会社のプレゼン大会では大賞を取った。
そして、SNSにブログのURLをシェアした。みんな応援してくれた。
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こうして1年後に会社を辞めた。
そして夢だった「好きなときに好きな場所」でできる仕事を手に入れた。
私の転機は、ひとり旅で変わりたいと勇気をだした瞬間だ。
また何かに行き詰まったときは、ひとり旅に行こうと思う。英語はもう少し勉強する。